もう20年以上も前、私がスノーボードに夢中になり、冬はアメリカのジャクソンホールという山にこもり、春はアラスカで滑っていた頃の話。
稼いだお金は全てスノーボードとウインド、旅につぎ込んでいて、食費にお金をかけることはできず、周りもみんなスノーボードバムだったので私以上にお金がなく、そんな中でたくさんの仲間たち(ほとんど全員独身男性、彼女もろくにできないくらい滑ることに夢中、車で生活してるようなバムも多数)にクリスマスプレゼントを買うお金などなく、どうしようと考えた時に、当時食事係だった私が作るみんなが好きな料理の作り方を書いたレシピブックを手作りしプレゼントしたところ、とても喜ばれ、20年経った今でも(すでに彼らも結婚し、立派なお父さんになっていますが)使ってくれているというのを知ってとっても嬉しく思っています。
TOMO's RECIPIES
~Low budget, tasty but simple to cook. Guaranteed to impress the ladies! (安く作れて美味しい、でも作るの簡単、女の子を感激させること保証付)~
というサブタイトル付きの手書き、ホチキスで閉じた小冊子でした。
当時独身で、山ばかり行ってデートするお金さえない彼らに、お金がなくても女の子を誘ってチープで簡単、でも見ためちょっとしゃれた感じの料理を作って彼女のハートをつかめるよ。というメッセージで作ったものです。みんなかなり活用してくれてたし、今では奥さんと一緒に使ってくれてるという人もいます。
未だにスノーボードバム時代とあまり変わらない生活を送っている私なので、ある食材を無駄にせず、お金をかけずに美味しいものを食べることへの追求は、嫌が応にも続いていますが、クリエイティブになるし、それはそれで楽しいのです。
そんなわけでここにあるレシピ集は、自生している、あるいは安く手に入る食材を有効に使ったもの、旅先で教えてもらったその土地土地の食材を使ったレシピや郷土料理、あとはキャンプや車での旅で手軽に作れるものなど、自分がよく作るものを順不同で思いつくままにアップしています。
カテゴリー分けもなくただ並べてありますが、どのレシピもどこかの場所や旅を思い出させるものばかり、ストーリーのある料理です。
その料理を作ってその場所に想いを馳せていただくもよし、昔作った最初のレシピブックの目的どおり、ちょっと女性に、「あら素敵!』って思ってもらうために作るもよし、あるいはキャンプ中に限られた食材で「なにを作ろう?」っていう時に思い出してくれれば嬉しいです。